現在のパレードはどんな内容?

 江戸時時代の「唐人揃い」は、明治に入って消滅しました。その後の氷川祭礼、いわゆる川越祭りは、山車を中心とした祭りに発展して、各町内からでる附け祭り(アトラクション的なもので、唐人揃いもその一つ)はなくなり、記憶から消えてしまいました。

 2005年に、江戸時代の朝鮮通信使の仮装行列を行っていた川越の「唐人揃い」の持つ意味を現代に生かそうと、様々な人たちの努力で「多文化共生・国際交流パレード」として復活しました。平和友好のシンボルであった「朝鮮通信使」、しかもこの朝鮮通信使は川越に来ていません。それなのに、川越商人たちが自分たちで衣装を作り仮装して楽しんだわけです。それはまさに国際交流であったわけです。

 人種・国籍・民族・地域・宗教・・など、すべての違いを認め合い尊敬しあい、多文化を楽しむ平和のパレードとして出発し、ことしで13回目になります。

 今では、川越祭りが終わったあとの11月の大きな祭りとして知られるようになりました。美しい蔵造りの街並みが完全に歩行者天国になり、色とりどりの衣装を着た団体の姿と、踊りなどのパフォーマンスを見るだけでも平和な気分になりますよ!

川越唐人揃い

江戸時代の川越で行われていた「朝鮮通信使」仮装行列を、当時は「唐人揃い」と呼んでいました。豊臣秀吉の朝鮮侵略という戦乱を乗り越えて、平和を目指す徳川家康と朝鮮王朝が、未来の平和のために問題を解決し、文化交流を200年以上にわたって繰り広げました。世界史の中でも、隣国同士が200年以上の文化交流を行い、平和を維持したのは極めてまれなことです。今の時代だからこそ、この朝鮮通信使の精神を生かしたもの。